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moon

Author:moon
自己紹介

子どものころ性虐待を受けていました。
長い間、そのことを忘れたかのように普通に暮らしてきたのだけど、少しずつパンドラの箱を開けながら自分と向き合うことを始めています。
今はまだ途中ですが、さらに幸せになることを目指して明るい場所に向かって歩いて行こうと思っています。

はじめましてのご挨拶↓
http://moon5.blog41.fc2.com/blog-entry-185.html


私の生い立ちと長い自己紹介のサイトです。AC(アダルトチルドレン)についても試行錯誤した記録を残しています。↓
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dark side of moon

SAの後遺症、OCDと共存しながら楽しく生きようと模索中
2007年08月の記事

あの人の幸せを

Xの私へ向けた微笑みが
固くなった私の身体に届いて
空しく跳ね返っていった。

それほど悲しい光景なのに
Xのこころは
みじんも動かないふうだった。

例えば
他人の涙が決して染み込んでこない心とか
他人の痛みをイメージすることのない欠落した想像力とか
他人の視線が突き刺さらない強い肌とか
…そういうものを持った人のことを
「無邪気」というのか?

そうなんだろうか?

光を求めて火の中に飛び込んでしまう虫を
愚かで切ないと思うのと同じ気持ちで

私はXの姿を見ながら
涙が出そうになった。

そうして
家に向かう道を歩きながら
あの人はあの人の幸せを
育ててくれれば良いんだ
それでいいんだと
初めて思った。

THEME:近親者による性虐待からの快復 | GENRE:心と身体 |

恋人

彼の本棚に、ある本の名前を見つけたとき、
初めて見るそのタイトルに
私は理屈じゃなく怯えた。

悪魔が十字架を見たときのように
魔物が護符を見たときのように

私の身体の中の魔物は
彼に成敗される恐怖で震えていたようだ。


それはある高名な精神科医の書いた日本人論で
この国の精神構造を「甘え」をキーワードに分析した
その頃の話題の本だった。

それが多分
私達の小さな方向転換と
それにつづく第一歩だった。

私が彼から遠ざかりたいと願う理性と
寄り添いたいと切望する感情に
心を引き裂くようになる第一歩だった。

彼は自分と自分の周囲の依存的な甘えを排除し
シンプルになる作業を始め
ストイックになるあまりに自分を追いつめていた。
私はそんな彼についていこうとして強引に自分の心を封じ
結果、余計に彼にしがみついた。

でも、

きっと私達は同じ事をしていたんだ。
同じ意味のことを。

私の敵は彼ではなくて、
私と彼の共通の敵がいただけだった。

ただ、

彼はその事に気づいていて、
私はその事に気づいていなかった。

THEME:■アダルトチルドレン(AC)■ | GENRE:心と身体 |